DSC00220植村八潮教授(専修大学/出版デジタル機構会長)に 「本の未来-印刷書籍と電子書籍」 という題目で,足立研セミナーで講演していただきました。


ご講演はプレス(印刷,出版,...)の歴史から始まり,電子出版の将来像について,熱く語っていただきました。

印刷物をスキャンした電子書籍をユーザは望んでいるのではなく,電子出版でなければできないようなものを作っていかなければならない,そしてそれを考えられる人は若者しかいない,というお話が印象的でした。

また,印刷が始まった当初,聖書を出版できる権利をもっていたのは英国のオックスフォード大学とケンブリッジ大学だけで(それぞれ Oxford University Press と Cambridge University Press をもっています),米国の人たちも英国から聖書を輸入していたそうです。その権利により両大学は莫大な利益を得ていたというお話も初めて知りました。

講演内容の興味深さだけでなく,話術の巧みさに魅了されました。最初の数十分はスライド数枚でお話しされました。スライドに頼って講演するわれわれ理系の話し方とは根本的に違います。スライドがなくても聴衆にわかるような話をすることが大事ですねと,先日,神戸で大須賀教授(阪大)とお話してきたばかりでした。

足立研セミナーで講演していただく講師の方のお話はみなさんお上手で,私はとてもかなわないと,いつも思ってしまいます。

植村氏が東京電機大学出版局に所属されていたとき,私の本を何冊も編集/出版していただきました。最初に編集していただいたのは,「MATLABによる制御のためのシステム同定」で,これは1996年出版ですので,20年近いお付き合いになります。

いまは電子出版界のキーパースンとして,幅広く活躍されています。

このセミナーには慶大メディアセンターから市古さんをはじめ数名の方が参加してくださいました。

なお,講演の模様はビデオ録画され,後日 YouTube 慶應チャンネルの 「足立研セミナー」 にアップされる予定ですので,こちらもご期待ください。

ご講演資料は ここ にあります。

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