海外にいると,普通,日本では会ったりしゃべったりできないような方に会う機会がある。私が30代前半だったころ,制御の学会の重鎮と呼ばれるような先生方とは,日本国内では話す機会などまったくなかったが,海外でお会いすると,気さくに声をかけていただいた記憶がある。

朝日新聞の4コマ漫画 「フジ三太郎」 の作者であるサトウサンペイさんが,ケンブリッジの Pembroke college に滞在されるという話が伝わってきた。サトウサンペイさんはご自身の著作をPembroke college に寄付されたことで,このコレッジに招待されたそうだ。また,スコットランド政府からも招待されているそうで,どこにいってもVIP扱いだ そうだ。この話をケンブリッジ日本人会の主宰の珠子さんが聞き,急遽ケンブリッジ日本人会で「サトウサンペイ先生を囲む会」を企画した。ご多忙中にも関わ らずサトウサンペイさんはご出席を快諾され,8月24日(日)の午後2時から約1時間半,ケム川のほとりのホテルでこの会を催した。8月22日の深夜にこ の会を行うことが決まったにも関わらず,当日は20名を越えるケンブリッジ在住の日本人が参加した。

私が子供のころ朝日新聞の4コマ漫画は,サザエさんとフジ三太郎だった。確かサザエさんが朝刊で,フジ 三太郎が夕刊だったような気がする。うろ覚えな記憶なので,間違っているかもしれない。サザエさんが終了した後は,フジ三太郎が朝刊の4コマ漫画として長 い間,連載されていた。その作者と会えるとは光栄だなと思う反面,若い人はフジ三太郎を知らないだろうなとも思った。

サトウサンペイさんは,フジ三太郎の漫画を書きながら,講演を進められた。Hint → Idea → Planning → produceの順番で進んでいくものが多いが,もっとも難しいのはどのようにしてHintを得るかであること,そのために大切なことは普段からいろいろ なものをよーく観察しておくこと,また,チャップリンの映画「ライムライト」の中で,老役者が若手バレリーナを励ますときのセリフに,人生で大切なものは 「希望と勇気とわずかなお金」があるが,このように訳したのは自分で,それは映画会社の宣伝のキャッチコピーに使われたことなど,お話された。終戦の年に 旧制高校の4年生だったとおっしゃっていたので,すでに70歳は越えているにも関わらず,若々しい声でユーモアを交えながらのお話だった。あっという間に 時間が過ぎ,全員で記念撮影をして会を閉じた。

ミーハーな私はスケッチブックとマジックを持参して,帰りがけにサトウサンペイさんにフジ三太郎の絵を描いていただいた。とても幸せな午後だった。

なお,当日の模様はケンブリッジ日本人会ホームページにも詳しく紹介されています。

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