久しぶりにケンブリッジ大学に行ってきました。(足立)

2004年1月23日にケンブリッジを発ち,翌1月24日に帰国してから,2年半以上の月日が経った。本当は,帰国前後の引越しの話など,書き残しておきたいことはたくさんあったのだが,帰国に伴う作業の忙しさのため,そうすることはできなかった。古いファイルを整理していたら,ケンブリッジだよりとしてwebに公開したNo.37 のつぎのNo.38 — Dentidt – という日の目を見なかった文章の書きかけが見つかった。

ケンブリッジの生活に慣れるまでは,3ヶ月以上かかったというのに,悲しいことに,帰国したら一日で日本の生活に戻ってしまった。日本では,時間的・精神的な余裕がなく,ケンブリッジだよりのような雑文を書くことはできなくなってしまった。ケンブリッジだよりをまとめて出版したいという色気をもっていたのだが,出版業界に明るい友人に相談したところ,海外紀行文は山ほどあり,その中でもケンブリッジ物はたくさん出版されているので,むずかしいだろう,イラン潜入ルポのようなものだったら,いいのだが,とアドバイスされた。明確な目標を失ってしまったケンブリッジだよりは,宇都宮大学足立研究室のHPの中で生き続けてもらうことにした。

その後,私自身,大学を移ったりして継続的にあわただしい時間を過ごしていたが,できるだけ早くケンブリッジに行きたいという思いは常にもち続けていた。

ケンブリッジの街並み

ワークショップに参加するために,2年半ぶりにケンブリッジを訪れた。街の中心のLion Yard にあるデパート Robert Sayle が改装中であるため工事関係者が多いことを除けば,ほとんど変わっていない,相変わらずのケンブリッジだった。一番うれしかったことは,ケンブリッジに着いた翌日から普通どおりのケンブリッジの生活が送れたことだった。やはり,旅行で訪れたことのあるところと,実際に住んだことがある場所とでは,再び訪れたときの感覚がぜんぜん違うものだ。そして,「懐かしい」という感覚より,「ふつう,日常」という感覚が強かったことは,自分でも驚きだった。行きの飛行機の中で映画 「Always 三丁目の夕日」 を見て,不覚にも涙してしまった私は,ケンブリッジで,かつて住んでいた家の前では泣いてしまうかもしれないと思っていたが,その心配は不要だった。

月曜日の夜にケンブリッジに着いて,金曜日の昼にケンブリッジを発つという短い滞在だった。しかし,ケンブリッジ大のMalcolm Smith教授が親切に Gonville & Caius Collegeのゲストルームを用意してくれ,また天気にも恵まれたため,非常に快適だった。相変わらずケンブリッジは,御伽噺に出てきそうな,時間の進み方が日本とは違う,なにか特別な所だった。

Gonville & Caius College のゲストルーム

Gonville & Caius College の中庭

コメント

  • 足立先生ご一家と、豊かに贅沢に、過ごさせていただいた、ケンブリジ・・・夢のように思われます。いや、それが永遠の現実であるようにも思われます。お写真ひたすら、なつかしーい!

    2006年09月21日 8:09 PM | 下館和巳