物理情報工学科3年生春学期第1クォータの必修科目「制御工学同演習」の授業が終わり,6月3日(月)にクォータ末試験を行いました。受講生のみなさん,大変ご苦労様でした。これからゆっくりと試験の採点を行います。

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今年度は3年ぶりにこの授業の講義ビデオを撮影し,YouTube にアップロードしました。興味のある方は こちら をご覧ください。

20年以上にわたって制御工学の授業を担当しており,しかも自分で書いた教科書 「MATLAB による制御工学」 を使っているので,ほとんど何も見なくても講義できます。しかし,今回はビデオを撮影をするので,毎回この授業の予習をして講義ノートを作り直しました。私にとってこれが非常によい勉強になりました。授業のビデオを撮影して,公開するというのは,もっともよい FD (Faculty Development:大学教員の教育能力,資質の向上のための組織的取り組み) だと,われわれ物理情報工学科は考えています。

クォータ制ですから週に2回制御工学の講義があり,また大学院の「モデルベースト制御理論」(カルマンフィルタについて講義しており,これもビデオ撮影しています。ただし,この授業については,すべてのビデオを一般公開する予定はありません)も週に1回講義があるので,この4月5月の第1クォータは授業ばかりしていました。

しかし,6月7月の第2クォータでは,私は学部の授業担当はありません。

クォータ制にはいろいろな利点がありますが,教員サイドから見ると,クォータ制を採用することによって,授業に集中する期間と研究に集中する期間のメリハリをつけることができます。

春学期(前期)と秋学期(後期)15週にわたって講義を行い続け,夏休みや春休みがあるかと思ったら,その期間にはさまざまな入試やいろいろな行事(オープンキャンパスや,学会の講演会,そして国際会議)が入っているのがほとんどの大学教員の現状です。そのような中でいったい大学教員はいつ研究するのでしょうか?

授業と研究のメリハリをつけることができるクォータ制は,教員サイドから見ても大きなメリットがあるのです。

もちろんクォータ制は学生のためのシステムです。その側面については,物理情報工学科の伊藤公平教授が6月3日の日本経済新聞朝刊に寄稿されているので,ぜひご覧ください。