仙台に出張して,15年前のケンブリッジ滞在時に大変お世話になった下館和巳先生(東北学院大)と筒井健一郎先生(東北大学)にお会いしました。

4月18日(水)夕べ:下館・足立・大須賀鼎談(+廣瀬氏)

ちょうど2年前の2016年4月19日に仙台のオジーノカリーヤで,10名ほどのオーディエンスの前で「下館・足立対談」を行いました。今回は,阪大の大須賀公一先生を交えて,3名で同じオジーノカリーヤで鼎談しようということになりました(ただし,非公開)。実は,大須賀・足立対談も「制御人(せいぎょんちゅ):そもそものすゝめ」として過去2回行われており,それらは Youtube 足立研セミナーのページにアップされているのです。

下館先生の友人の廣瀬氏も加わり,鼎談から座談に代わりました。工学,文学,哲学などなど,いろいろなことについて4時間にわたって語り合いました。ただ,お酒が入っていたので,すべて記憶していませんが,せっかくなのでいくつか書き留めておきましょう。

・ よい研究をしたいのであれば,他の分野の勉強をしなさい。極端な言い方をすれば,工学者はドフトエフスキイを読みなさい。これは,Cambridege の College の存在に通じます。

・ 完璧ではなく,ちょっと抜けている方がよい(あまり抜けていると困りますが)。

・ 大学で講義をするとき,先人の素晴らしい講義の台本をすべて暗記して講義しても,学生にとってよい講義にはならないでしょう。素晴らしい台本を自分の言葉に翻訳して,自分の言葉で授業しないと,学生の心を動かすことは難しいでしょう。

・ 人工知能ができることと,当分できないことは何?

・ 情動脳

・ ダミアン・フラナガン

・ ・・・ ・・・ ・・・

外は冷たい雨でした。オジーノカリーヤは雨が多い英国のコレッジの一室を思い出させ,われわれ4人はまるでケンブリッジにいるかのようでした。

4月19日(木)東北大学大学院生命科学研究科の筒井教授の研究室を訪問

システム神経科学分野の教授である筒井先生にお会いしてきました。

筒井先生はうつ病の研究をされており、経頭蓋磁気刺激(TMS)装置など,さまざまな実験装置を見学させていただきました。専門外の私にわかりやすく研究内容を説明してくださったので,いろいろな部分で納得できました。ここでも,「情動」というキーワードが登場しました。

「反復経頭蓋磁気刺激(γTMS)によるサル内側前頭皮質の情動・気分調節機能の検証」(シンポジウム:ストレスと陰性情動の源流は何か)という別刷を筒井先生からいただきました。

今後,筒井先生は脳のさまざまなデータを収集される計画をもっておられ,それらのデータ解析や,予測,そしてその先の制御の部分で何か共同研究ができれば楽しいなと思いました。

昨日とは一転して英国の初夏を思わせる素敵なお天気(lovely weather)でした。
片平キャンパスの素晴らしいしだれ桜にぎりぎり間に合いました。

コメント

  • 速い、フットワーク!ハンドワーク!ブレイン!
    楽しかったですね~ほんと、ゴージャスな夕べ
    でした。

    2018年04月19日 10:21 PM | 下館和巳

  • 先生方の知識、経験、探究心に満ちた豊饒のランドスケープを見させて頂いたような感動の宵でした。
    ありがとうございます。

    2018年04月20日 8:21 AM | 廣瀬 純

  • 下館先生,廣瀬さん,仙台での素晴らしい宴をありがとうございました。まさしくプラトンのシンポシオン(シンポジウム)でした。
    そういえば,5年くらい前に大須賀・足立で対談して,それを youtube においてあることを思い出し,ブログに加筆しました。

    2018年04月20日 8:47 AM | Shuichi Adachi