SICE 制御部門の「真なるダイナミクスの追求による次世代制御理論調査研究会」(主査 西村悠樹先生)が主催した「次世代システム制御理論への挑戦」に参加しました。

飯田橋駅の近くにある東京理科大学 神楽坂キャンパスで開かれました。

杉江俊治先生(京大名誉教授)の基調講演「制御理論のこれまでの展開~ロバスト制御の視点から~」に始まり,5件の中堅研究者によるレクチャー,そして最後は吉村浩明先生(早大)による特別講演「非平衡熱力学の理解に向けて~変分原理と幾何構造~」が行われました。

いずれも素晴らしい講演でした。

「カクタス可拡大性」,「形式モデリング(formal modeling)」,「非可換性」,「受動性」,「微分フラットシステム」など,さまざまな制御の知識を勉強しました。

杉江先生は講義の中で,古典制御の重要性について触れていました。次世代制御を研究している中堅研究者たちの発表を聞いていても,ゲイン余裕・位相余裕の安定余裕やブロック線図の等価変換などの古典制御の知識が登場し,ちょっと安心しました。

特別講義をされた吉村先生とは約30年前に,大型宇宙柔軟構造物の制御研究会(通称 CFS研究会)で一緒に研究したことがあり,久しぶりにお話を伺うことができて非常に楽しかったです。

ところで,よく「次世代」という用語が使われます。世代(generation)は30年を表すので,次世代とはこれから30年後のことを指します。いまから30年前の1989年(平成元年)に制御の世界では,ロバスト制御に関する DGKF の有名な論文が発表され,制御の世界を大きく変えました。

令和元年(2019年)に活動しているこの研究会から,2049年になったときに評価される素晴らしい研究成果が生まれることを楽しみにしています。