システム同定の有志9名で構成される私的な研究会「システム同定研究会」の第3回研究会を京都で開きました。

昨年11月頃から小規模な研究会や学会を対面で開催してそれに参加しようと考えています。そして,少しずつ実行に移しており,11月には鉄鋼協会の講演大会(参加者90名)で長崎に出張し,12月には科研費の研究集会(参加者4名)を京都大学で開きました。

今回はメルパルク京都で可能な限り全員が集まって対面で実施する予定でしたが,年始からのオミクロン株の急拡大で,残念ながら足立は自宅からのオンライン参加となりました。しかし,丸田先生(京大)が構築した素晴らしいオンライン会議環境のおかげで,ほとんどストレスなしにディスカッションや雑談ができました。

杉江先生が中心となって作文された会議の案内がちょっといいので,ここに載せておきます。

『システム同定の先進地域であるヨーロッパにおいては、第一線で活躍しているこの分野の研究者達が泊まり込みで深く議論をし、地域全体としての研究レベルの向上に取り組んでいる。そこでは、アイデア段階のものから完成された自信作まで種々のレベルの話題が取り上げられ、一つ一つに時間をかけじっくりと議論することにより、互いの研究の理解を深めている。場合によっては共同研究として結実するものも少なくないようである。このような背景のもと、日本のシステム制御分野の国際的なプレゼンスの向上を目的とし、システム同定の研究会を少数精鋭の Closed Meeting の形式で開催する。第3 回の研究会では、残念ながら COVID-19 下の状況に配慮し、本来の合宿形式での開催形式は控えるが、できるだけ深い議論となるよう、三名の研究者による研究成果についての講演を軸に、メンバー間で議論する。特に、対面での開催とすることで、コミュニケーションを円滑化し、少数精鋭での Closed Meeting の効果を最大化する』

今後,時間をかけてコロナ禍が終息に向かっていっても,すぐに以前のような大きな学会の講演会やシンポジウムをこれまで通りに開催することは難しいかもしれません。たくさん参加者が集まるお祭りのような大きな講演会を開催して,その収益を学会の活動資金の一部にするというビジネスモデルを考え直す時期なのかもしれません。

そんなときこそ,学会の初心に戻って,小規模なディスカッション中心の研究会から一歩ずつ進めていくべきではないかと,私は考えています。この観点からも,このシステム同定研究会は私にとってとても大切です。