講演者
大須賀 公一 教授,廣田 幸嗣 氏(大阪大学,元日産/カルソニックカンセイ)
講演日時
2019年5月18日(土) 11:00~16:00
講演場所
鎌倉 (非公開セミナー)
講演概要
大須賀公一氏(大阪大学):ロボットって? ー知能はどこから生まれるのか?ー
      • ロボットって何でしょう? どうも定義しにくいですね。そこで本講演ではまず、みなさんが「ロボット」をロボットと判断する根拠を探ってみます。そうすると、どうやら「知能とは?」という根源的な問について考えるところからはじめなくてはならないことに気が付きます。 では「知能って何?」と問われたらどう答えますか? やはり答えにくいですね。このように考えていくと、果たして知能という実態はあるのか?、 さらにはロボットという実態はあるのか?、 という疑いが生まれ、結局この講演を聴き終わった暁にはロボットのことがわからなくなる、そんな講演をしてみたい。
廣田幸嗣氏(元日産自動車,カルソニックカンセイ):開発者の視点から見た「自動運転と人工知能の課題」
    • 人工知能研究の大きな Driving Force は、コンピュータの記号の世界から応用をロボットや自動運転に代表される実世界へ広げることであった. 21世紀初頭にニューラルネットワークの技術革新「深層学習」が登場してから、自動運転の実用化の動きが世界中で急加速している. しかし、この輝いて見える深層学習を支える両輪が、Big Data と Big Computing Power、要は力任せ手法:Brute Force Technology であり、エネルギー効率も低いことを忘れてはならない. 例えば囲碁名人と AlphaGo の対局は、人間の頭脳の消費電力 20W と AI の 200kW の対局であった.少しまともな自動運転を実用するには数百Wは必要で、電気自動車が必須と皮肉を込めて言われてもいる. これ以外にも深層学習は、実世界への応用の長年の課題であった フレーム問題や記号着地問題、製品責任問題等を本質的に解決していないので、この側面にも留意する必要がある. ゲーム理論から自動運転を眺めると、交通情報や自動車の運動性能を周囲のドライバと共有していない、不完全情報ゲームである.また道交法と言う極めてあいまいなルールのもとで、 それすら守らない不法ドライバがいる不完備情報ゲームである.盤上の碁石の配置情報がすべて共有され、対局者は明確に記述されたルールを厳格に守る囲碁対局とは大きく異なる.運転は凡人にできるので囲碁名人に勝利したAIが自動運転ゲームに楽勝とはいかないのである. 以上のような視点からの話題提供というか問題提起を試みたいと思う.