講演者
田辺 弘子 助教(東京大学大学院 総合文化研究科 身体運動科学研究室)
講演日時
2016年9月3日(土) 20:15~21:15
講演場所
ラフォーレ那須
講演概要
人間の体は約300の関節で構成され、約400の筋によって駆動される。こうした身体を制御するとき、中枢神経系は視覚・前庭感覚・体性感覚情報を基にしてどの筋を活動させるかを決定する。このフィードバック系には、感覚信号の変換・神経系の情報処理・制御入力の伝達・筋活動からトルク出力・身体駆動に要する遅延時間が含まれ、それらは常にゆらいでいる。特に立位姿勢では身体のゆらぎの変動が小さく非定常で、その制御構造全体を同定することは大変むずかしい。近年、中枢神経系を介する能動的な立位制御則として間欠制御モデルが提唱されている。こうした生体内の間欠的な性質に着目することで、実際の生体信号から神経ー筋ー骨格メカニズムを探索する取り組みを行っている。実際のヒトの実験データから間欠制御の理論に沿う現象が観察されたのか否か、最新のデータと共に生理学的・生体工学的な観点から立位制御メカニズムについての知見を解説する。
    # なお,足立研夏合宿中のセミナーのため,関係者以外は聴講できません。
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