講演者
井上 正樹 博士(慶應義塾大学 理工学部 物理情報工学科)
講演日時
2017年9月4日(月)9:00~9:50
講演場所
軽井沢マリオットホテル
講演概要
制御方策の一つとして,制御対象のモデルを制御器内部に埋め込む構造をもつ内部モデル制御(IMC)が古くから知られている. 設計の容易さに加えて,たとえ非線形系を対象としても正確なモデルさえ利用できれば制御系全体の安定性が保証されるため,これまでに数多く利用されてきた.また,計算機が飛躍的に発展したこの20年ほどでは,内部モデルを用いてさらにオンラインでの最適化までおこなうモデル予測制御に応用展開されるなど,IMCの考え方は大きな広がりを見せている.本講演では,IMC の基礎理論部分をさら+発展させることを狙いとしている.  本講演では,電力系統を特に想定した大規模複雑系を制御対象とする.大規模複雑系では全体の正確なモデルを利用できるという想定は現実的ではなく,従来のIMC は制御方策として適していない.目的を系全体ではなくある局所部分の制御に限定して,局所部分の小規模ながら正確なモデルを利用できるとする.そしてこの局所モデルを制御器に埋め込む構造をもつ局所IMCを新たに提案する. 残りの大域部分を全くの未知とした上で,どこまで解析や設計論を考えることができるかの試みと,提案するIMCがすべてのアドオン型補償器のパラメトリゼーションとなっていることなど,講演者の最近の研究成果を紹介する.
    # 足立研夏合宿中のセミナーのため,関係者以外は聴講できません。
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