講演者
加納 学 教授(京都大学大学院 情報学研究科 システム科学専攻)
講演日時
2012年12月19日(水) 14:45~16:15
講演場所
創想館2階 セミナールーム3 (14-203)
講演概要
 製品品質の精緻な管理が求められるなか,様々な産業分野で仮想計測技術の活用が進められているが,現在,我々は大きな共通課題に直面している.例えば,半導体産業ではバーチャルメトロロジーと呼ばれる仮想計測技術が用いられているが,工程数と装置数が膨大なため,高性能なモデルの構築と保守をいかに効率的に実施するかが鍵となる.製薬産業では製剤技術のパラダイムシフトが進むなか,リアルタイムモニタリングを実現するために PAT (Process Analytical Technology) が注目されているが,ここでも信頼性の高いモデルをいかに構築し保守していくかが課題となっている.本講演では,このような仮想計測技術の現状と課題を概観した上で,性能向上と保守負荷低減を目指した最近の研究成果と,石油化学,製薬,半導体産業での応用事例を紹介する.  だが,本題に入る前に,いかに統計的手法の誤解や誤用が蔓延しているかを指摘しておきたい.いや,どこか遠い世界の話をしようというのではない.あなたや同級生や同僚が正しく理解しているか,適材適所で統計的手法を使えるかを,具体的な例題を通して確認しよう.基礎が疎かであれば,データを活用して成果を出すのは難しいのだから.そして最後に,大学に籍を置きながら徹底的に産業応用にこだわり続けてきた私自身の研究マネジメントについて述べてみたい.その中で,野望についても触れることにする.
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