講演者
生駒 哲一 准教授(九州工業大学大学院 工学研究院)
講演日時
2011年6月24日(金) 16:30~18:00
講演場所
16-A棟(厚生棟) 3階大会議室
講演概要
時々刻々と変化する対象を『動的システム』として捉え,状態量の変化を表す『システム方程式』と,状態量から観測量が生じる過程を表す『観測方程式』を立て,これら二つの方程式から成る『状態空間モデル』を構成する.状態空間モデルが所与の下で,観測の系列から,状態の系列(または最新の状態)を推定する『状態推定』を行うのが『フィルタ』である.状態空間モデルが線形式とガウス分布のみから成る場合は,カルマンフィルタにより状態推定の解を逐次計算する.一方,非線形式や非ガウスの分布がモデルに含まれる場合には,一般には,何らかの近似を含むフィルタを使う必要がある.この場合,状態推定の解は,非ガウスの確率分布となるが,この確率分布に従う多数の粒子(実現値)を使った数値計算で,解を逐次的に求めるのが『パーティクルフィルタ』である.本講演では,状態空間モデルと状態推定,カルマンフィルタ,パーティクルフィルタの考え方と手続きについて概説し,またそれらを用いた各種の応用として,主に動画像中の移動物体の追跡など,工学的な事例をデモと共に紹介する.
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