11月12日(月)午後に足立研セミナースペシャルを開きます。

講演者は,大須賀先生(阪大),杉江先生(京大),三平先生(東工大)と超豪華です。参加ご希望の方は,足立(adachiあっとappi.keio.ac.jp)にご一報の上,お越しください。もちろん入場無料です。

物情3年生で,足立研や制御工学に興味をもつ学生にも聴講してほしい内容なのですが,第3学期の定期試験直前なので,ちょっと出席は難しいかもしれませんね。

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足立研セミナースペシャル

1. 日時:2018年11月12日(月)14:30~17:20
2. 場所:創想館2階セミナールーム3 (14-203)
3. 内容:
14:30~15:20 大須賀公一(大阪大学):コマツへんな建機協働研究所妄想
 大阪大学にはコマツの研究所「コマツみらい建機協働研究所」が設立されている.私は,大阪大学の教員でありこの研究所の所長である.また,クロスアポイントメント制度により,2割はコマツの社員になっている.そんな私が(阪大の人間(アカデミア)でありかつコマツの社員(企業人)である),この研究所のメンバーとして意義のある存在とするにはどうしたらいいだろう? 本講演ではその答えの一つとして「コマツへんな建機協働研究所」という考え方を提案する.

15:20~16:10 杉江俊治(京都大学):カーネル法の制御応用
 本講演では制御対象の精密なモデルを必要とせず,実験データから制御器のパラメータを直接チューニングする新たな二つの手法を紹介する.第一に,カーネル法に基づくノンパラメトリックシステム同定を援用することにより, 実験データに基づいてフィーフォワード補償器をアップデートする手法について紹介し,その有効性を数値例および実験によって示す.第二に,カーネル法を用いて, 実験データから評価関数そのものを推定し,ベイズ最適化を用いて,制御器のパラメータをチューニングする方法を紹介する.実験により,高速で目標値へと収束する PID 制御器や, 規範モデルに近い応答特性を示すPID制御器が自動チューニングにより得られることを示す.

16:20~17:10 三平満司(東京工業大学):劣駆動系~非線形制御の玉手箱~
 非線形制御対象を制御する場合,制御対象の線形近似が可制御な場合には近似線形化したシステムに対して線形制御理論を用いることにより安定化コントローラを設計できる.実は,このようなシステムに対して非線形制御理論を適用したとしても,原点近傍の挙動は線形制御以上の制御性能の改善ができないことがわかっている.一方,線形近似システムの可制御性が何らかしらの意味で原点で特異性を持つシステムでは近似線形化用いた制御が不可能となり,本当の意味で非線形制御理論が必要になってくる.ここでは劣駆動系(自由度よりアクチュエータの数が少ないシステム)でこのような本質的な非線形性が種々あることを示し,それに対する講演者の研究を紹介する.

Kings college, Cambridge University

ニュートンのリンゴの木の前で
Trinity college, Cambridge University